今は二人に一人、がんになる時代だそうです。
医学の進歩は目覚ましく、
不治の病などと言っていたのは、遠い昔のことになりました。
私の周りにも、手術を受けた人が何人かおられますが、
皆さん、とても元気に活動されています。
私の場合、身近な血縁に患者がいないこともあって、
がんとは無縁だと思っていました。
だから、今まで、がん検診なるものを
一度も受けたことがありませんーーでした。
それが、いつもの内科の診察日に、
ドクターが、いつになく真剣な顔で仰るのです。
「腫瘍マーカーの値が高いので、乳がんの検診をお勧めします。」と。
まさか、と思いました。
「何かショック…。」と言いましたら、
「ラッキーと思って下さい。」そう言って、
ご自身のかかりつけの専門医に紹介状を書いてくださいました。
結論を先に書きますね。
異常ありませんでした。
がん検診を受けるまでの二週間というもの、
鬱々として、何をしていてもモヤモヤが晴れません。
診断の結果を聞くのが怖くて、なかなか予約する決心がつきませんでした。
でも、いつまでもモヤモヤしていたら、本当の鬱になってしまいます。
えーい!
崖から飛び降りるくらいの覚悟で予約して、病院へ行きました。
マンモグラフィ、エコー、触診と、あっけないほど淡々と
検診は進んでいきました。
結果を聞き、晴れ晴れとした気分で
大きな声で歌いながら運転して帰りました。
こんなにスッキリするなら、早く検診すればよかったと思いました。
でも、あれから時間が経った今、思うのです。
あの検診は、本当に必要だったのか…と。
結果が良かったから、言えることかもしれません。
あの時異常が見つかったら、本当にラッキーだったと思います。
しかし最近、週刊誌などで、不要な検診によって、
さまざまな問題があるという記事を見かけるようになりました。
目覚ましい医学の進歩により、今まで発見できなかった異常が
簡単に見つかるようになったと、かかりつけのドクターも仰ってました。
受けなくてもいい検診が混じるのは、しかたがないことかもしれません。
お医者さんは、立場上、疑わしきは検診や精密検査を勧められます。
私には、それを断る正しい知識も勇気もありません。
第一、何が正しいか、なんて素人にはわかるはずもなく、
膨大な情報にふりまわされるばかりです。
難しい時代になりましたね。
初めてのがん検診から、私は多くのことを学びました。
その時が来たら、まずは落ち着こう、
そして、様々な情報に一喜一憂しないでおこう、と。
うーん、できるかな…?