8%の善意

100円ショップでの出来事です。

レジに並ぶと、何やらもめています。

レジの女性が、小学校低学年ぐらいの女の子と幼稚園児くらいの男の子に、

何やら一生懸命説明していました。

レジのテーブルには、5円玉や10円玉がいくつも。

女の子の手には小さなぬいぐるみ、男の子の手にはストラップが握られていました。

レジの女性が、お金が足りないことを説明するのですが、

幼い姉弟は、納得がいかない様子です。

私は、いろいろ想像しながら、その様子を見ていました。

「ふたりで一生懸命小銭をためて、やっと200円になったから、

大はりきりで買い物に来たんだな。

でも、8%の消費税がいることを知らなかったんだ。」

 

すると、私の前に並んでいた高齢の女性が、財布を取り出して、

「いくら足りないの?」と姉弟に声をかけました。

私はとっさに、「それ、やめたほうがいいと思うんです。」

と言ってしまいました。

ところが、あとがうまく続きません。

「勉強というか…、しつけというか…。」

もごもご口ごもっていると、高齢の女性は、

「そうね。じゃあ、やめとくわ。」と、あっさり財布を引っ込めました。

結局、姉弟は何も買えず、帰っていきました。

 

「おせっかいなことをしたのかな…。

せっかくの善意を、私がじゃまをしたのかな…。

あの子たち、がっかりしただろうな…。」

モヤモヤしていると、レジが私の番になりました。

すると、レジの女性が仕事の手を休めず言ったのです。

「私も、そのほうがいいと思います。」と。

モヤモヤが、ぱあっと晴れました。

 

レジの女性、高齢の女性、そして私の連係プレイがあったことを知らないで、

あの姉弟は、足りなかったお金をためて、また買いに来ることでしょう。

そうやって得たぬいぐるみとストラップは、

216円の何倍もの価値があるのではないでしょうか。

そう信じたいです。