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なんでもない記念日

娘たちが幼かったころ、よくプールに連れて行きました。

二の腕に浮き輪を巻き付けた娘たちは、

大はしゃぎでバシャバシャと水しぶきをあげていました。

屋根のないプールは、強い太陽の光を反射し、

水面がキラキラと輝いて、とてもきれいでした。

日傘をさして娘たちを見ていた私は、

なんだかとても幸せな気分でした。

娘たちが大きくなったら、こんな日があったことは

忘れてしまうんだろうな…。

なんでもない日だけれど、なんの記念日でもないけれど、

憶えておきたいな…と。

そこで、この日を忘れないために、何か記念になるものを

買おうと思い立ちました。

 

で、何を買ったかと言いますと、渋い和柄のコーヒーカップです。

「水しぶき」と名付けました。

その後も、なんでもない記念日に、カップを買い足していきました。

「嵯峨野」「決心」「なかよし」「自立」などなど。

味も工夫もない命名ですが、そのカップでコーヒーを飲むと、

その日のことを鮮やかに思い出せるのです。

 

長い時を経て、ヒビが入ったり、割れてしまったり、

どこかにいってしまったものもあります。

いつの間にか、カップを買い足すこともなくなりました。

 

でも、初めて買った「水しぶき」は、今も現役です。

このブログを書き終えたら、久しぶりに

「水しぶき」でコーヒーを飲もうかな。