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赤いくつ 白いくつ

子どものころ、少女漫画は、目に星がキラキラの

バレリーナ物語が大人気でした。

すっかり漫画に感化された私は、

バレリーナになりたくて、母にバレーシューズを

買ってほしいと頼みました。

 

母と私は、電車とバスを乗り継いで、大きな街の

一番大きな靴屋さんに向かいました。

「バレーシューズをください!」

すると、出てきた靴は、ゴムバンドのついた

体育館で履くような白い布の靴でした。

本物を見たことがない田舎娘でも、それは違うということは

ひと目でわかりました。

他の靴屋さんならあるかもと、そのあと街の靴屋さんを

数件回りましたが、出てきた靴は、やっぱり同じでした。

がっかりするやら、なさけないやら…。

 

後にわかったのですが、バレリーナが履く靴は

トウシューズと言うのですね。

何も知らない、田舎の母娘の悲劇(喜劇)でした。

でも、足を棒にして一緒に靴屋さん巡りに

付き合ってくれた母を想うと、今でもウルっとします。

 

「赤いくつ 白いくつ」という漫画がありました。

バレリーナを目指す心優しい女の子と、意地悪な女の子の

ライバルの物語です。

詳細は忘れましたが、

赤い靴を履くとバレーの素晴らしい才能が得られ、

白い靴を履くと、バレーはうまくならないけれど幸せになる。

主人公の心優しい女の子は、白いくつを選び、幸せになる。

…とまあ、よくありそうな設定です。

小学生だった私は、私なら絶対赤い靴をはく!と思いました。

平凡な幸せより、たった一度の人生、波乱万丈に生きるんだ!と。

 

子どもでしたね。

夢いっぱいで、何にでもなれると思っていたのですから…。

大人になって身の程を知り、挫折も味わって、

叶えられない夢もあることを知りました。

それなのに、白い靴と赤い靴、両方履きたい、それが無理なら

片方ずつ履きたい、なんて欲張ったことを考えていました。

 

そして今、

来し方を振り返ると、どちらも履けませんでした。

でも、少しくたびれたウォーキングシューズを眺めながら、

履きなれたこの靴が、私にはお似合いだな…と思っています。