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サンタクロースが来なくなった日 ②

 さて、娘たちに一日でも長くサンタさんに来て貰いたかった私は、

あの手この手を使いました。

 

サンタクロースが暮らしているというフィンランドに、
エア・メールで手紙を出しました。

ちゃんと、フィンランドから返事が来たんですよ。

英語やフランス語や中国語など、何か国かの文面が印刷されていて、

サンタさん自筆?のサインが入っていました。

私は内心「ま、こんなものか」と醒めていましたが、

娘たちは「サンタさんから返事が来た!」と大喜びです。

 

「サンタクロースって いるんでしょうか?」という絵本を

いっしょに読んだときは、質問攻めに。

「家は煙突がないのに、どこから入って来るの?」と聞かれると、

「玄関から入って来るよ。」と答え、

「鍵がかかっているのに、どうして入れるの?」と聞かれれば、

「マスター・キーというカギを持ってるから、どこの家にも入れるよ。」

と答えました。

「みんなは、サンタさんはいないって言うよ。」と言われたときは、

「サンタさんが来てくれない子は、お父さんやお母さんが

サンタさんに代わってプレゼントを置いてくれるんだよ。」と答えました。

何だか納得できない様子の娘に、私は声を潜めて言ったものです。

「もしサンタさんがお母さんだったら、おもちゃなんかプレゼントする?」

「ううん!」と首を横に振る娘たち。

(実は、私は、おもちゃはクリスマスだけ、と決めていたのです。)

「サンタさんはいないと思ったとたん、来てくれなくなっちゃうんだよ。

その時は、お父さんとお母さんがサンタさんになってあげるからね。」

この言葉は、とても効きめがありました。

(後に、大きくなった娘が『おかしいな、と思ったけど、

必死に信じようとしてた』と打ち明けてくれました。)

 

下の娘が6年生のクリスマス・イブのことです。

クリスマスは、ここぞとばかりおもちゃを奮発していたのですが、

6年生にもなる女の子に、どんなおもちゃを贈ったらいいのでしょう。

ぬいぐるみや人形なら、たくさん持っているしなあ…と悩みながら、

木枯らしが吹く中、商店街の大きなおもちゃ屋さんに向かいました。

すると、見覚えのある親子連れが、まさにおもちゃ屋さんに入るところでした。

娘の同級生の女の子と、そのお母さんとお姉さんです。

もし、私がおもちゃ屋さんに入るところを見られたら、今までの努力が水の泡です。

私は、とっさに電信柱に隠れました。

 

寒い寒い日でした。

親子連れは、なかなか出て来ません。

親子三人で、楽しそうにプレゼントを選んでいるのでしょう。

そのうち、だんだん腹が立ってきました。

「早く買い物済ませて帰ってよ~。」

怒りの矛先は、娘にも向かっていきました。

「だいたい、サンタクロースを6年生になるまで信じる?」

自分でそう仕向けて置いて、身勝手な母親ですね。

電信柱の影で震えながら、私は決心しました。

「もう、今年でサンタクロースはやめる!」

その夜、大きな赤いビニール袋一杯に、プレゼントを入れました。

手紙と一緒に。

 

クリスマスの日から、冬休みが始まります。

その日、朝から用事があって、私が出かける時間には

娘たちはまだ寝ていました。

出先から家に電話をすると、下の娘が出ました。

「サンタさん、来てた。」

「ほんとう。良かったね。」と私。

「サンタさんの手紙が入ってた。」と娘。

「へーえ、何て書いてあったの?」と、とぼける私。

「英語の筆記体で、バアーッと書いてあったから読まれへん。」

「そうかあ。じゃあ、お姉ちゃんに読んで貰ったら?」と、

どこまでもとぼける私です。

「でも、私だけサンタさんから手紙が来てたら、お姉ちゃんに悪いもん。」

私、もう、胸がキュンとしてしまいました。

「わかった。家に帰ったら読んであげるね。」

 

「This is last present for you.」

で始まる、英語の手紙です。

「私は、ほかの子どもたちのところへ行かなければなりません。

●●ちゃん、大好きだよ。Good bye! サンタクロースより」

読み終わると、娘は何とも言えない表情を浮かべました。

「わたしは、悲しい…。」

そう呟いて、自分の部屋に行ってしまいました。

 

この話には、後日話があります。

すっかり大人になった娘が、「これ、憶えてる?」と

一通の手紙を見せました。

「憶えてるよ。」と言ったら、ニヤリと笑って言いました。

「カンタンな英語!」

 

ほっといてくれる?