ライオンとナマケモノ

ナマケモノという、なんとも不思議な生き物がいます。

一日に、たった8グラムの葉っぱを食べ、15時間~20時間も眠り、

一生を樹の上で暮らすというナマケモノ

動きがとてつもなく遅く、一時間に16mしか移動しないといいます。

こんな不思議な、そして魅力的な動物は、そうそういません。

それなのに「ナマケモノ」などという、不名誉な名前を付けられて、

失礼な話です。

(話は逸れますが、最近、マツタケに勝るとも劣らない味と香りの

バカマツタケ」が話題になっていましたね。)

 

一方、ライオンはと言うと、「百獣の王」などと称され、

幼い子どもでも知っている人気の動物です。

でも、オスは縄張りを守るけれど、意外に狩りは下手だとか、

狩りをして子育てをするのはメスライオンだけという話を聞くと、

「百獣の王」なんて、過大評価じゃない?って思ってしまいます。

 

ライオンは、たくさん食べないと体を維持することが出来ないので、

サバンナを餌を求めて歩き廻ります。

ナマケモノ基礎代謝が低いため、あまり食べなくてもいいのです。

餌を求めて動く必要がないため、日がな樹にぶら下がっているのですね。

ライオンとナマケモノ

何だか、人の生き方を象徴していると思いませんか?

 

なぜ、唐突にこんなことを思ったかと言いますと、

秋も深まり、行楽のベストシーズンになって、

お出かけのお誘いが多くなったからです。

以前でしたら、「行く行く!」と即答していたのですが、

ちょっと迷うようになりました。

人込みの行楽地より、家でまったりするほうがよくなったのです。

お気に入りの樹にぶら下がって、じゃない、ソファに寝そべって

撮りためたビデオを観る至福の時間…。

すっかり、「ナマケモノ」になってしまいました。

 

でも、「ナマケモノ」にも言い分があるのですよ。

ずっと前に書いた詩ですが、「ナマケモノ」に成り代わって。

 

   「ナマケモノの時間」

ナマケモノ

大きな果実のように ぶらさがっている

起きているのか 眠っているのか

顔を天に向けて

特別あつらえの時間の底に

とろりと しずんでいる

 

ナマケモノ

ときどきうす目をあけて 空をながめる

風のにおいや しめりぐあいを確かめる

ほんの少し動いて ほんの少し食べて

それから 考え事をする

けっこう忙しいのである

 

人間は

ナマケモノの 本当の名前を知らない

尋ねたこともない

 

ナマケモノ

人間がつけた名前の意味を知らないけれど

ーーそんな事どうでもいいや

と いう顔で

ナマケモノだけの時間の海を

ゆうゆうと 漂っている

 

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